2003-01-01から1年間の記事一覧

Eternal waltz

身を屈めて触れた頬はまるで氷の様 眼差しはそれでも遥か彼方の地を映す 子守り歌は風に乗って誰の元に届く 癒された痛みはいずれ再び舞い戻る 渇き切った大地を その涙で潤して 芽吹く生命はまだ罪を知らない やがて枯れる花は 咲く為に冬を越す 数え切れぬ…

辿り着いた別々の場所で僕達は寂しさを知る

街のざわめきは変わらないのに 疎ましさを覚えたのはいつから? 持ち主を失った僕の左側 今はそこに孤独が滑り込んでる 痛むのは胸の奥底 そうか、やっぱり心はここにある 永遠を教える為に 時間は僕達を少し傷付けた 信じ合えた奇跡さえも 過去へと変えてし…

消えたsilence

何処かで声がした気がして… 気のせいだとは既に分かっている この耳が覚えている とても側で誰より聞き慣れた声を もうすぐ息も白くなる 初めて会った頃の季節になる 今年も冷えるらしい 雪が舞えば肌へと降りて来て溶ける 黄昏は何度でも訪れる ただし同じ…

:ネオンテトラが/ひるがえる。

空っぽの部屋に置き去りにされて 水槽の中で所狭しと踊る 「観賞用」と名付けられ けれども誰も見ていない 存在する事を確かめられない 抱き締めてくれるだけでいい あなたと触れ合える体が ここにあると感じられる 移ろい続ける瞳の肖像 紛らわしく繋がる想…

月を恋う人

貴方からの言の葉をば認めた文 思い遣りは要りません 消え逝くと分かる淡い灯火 この文をせめて秘めたい懐に 彼の姫は川を下る 隠されていた木彫りの船に揺られて 岸辺から見詰める私 行く先を想いながら あぁ、この時もただ静かに 白い月は浮かぶ 仄かな微…

天使が微笑むのは真夜中

昼間の熱がまだ残る屋外 繋いだ手はしっとりと濡れていた 吸い付く様で離れるのを拒む様で 気分が少し良かった 会えない時の出来事は言わない 伝えるのが押し付けに摩り替わる よく聞くけれど共有など無理に思う 誰かと同じ感情 人は日々に追われ 歪な足跡を…

Say No Words

新しいアクセを 首元に揺らしながら 僕の冗談に目を細める君 彼とは相変わらずみたいだ 興味惹く話題は もう既に分かっている だけど向けられたそのFocus-Point 僕へと変える事は出来ない 会えないで居る時間が 余計に君を思い出させる いっそ忘れてしまえば…

抱き締めてしまった

上の階から楽器の音が響く 午後六時の教室は二人きり 用もなければただ何となくだけで 暇潰しというか、暇作りだろうか 梅雨がどうとかいう話題を振られて 返事はしたけど上の空 赤み掛かった髪の毛 微妙に低い背の丈 後ろ姿が愛しすぎて 抱き締めてしまった…

官能Deeperフィーリング

低く遠く届く 雄猫のセレナーデ 本能に従い 欲すれば良い 何れ渋く息吹く 遣り所ない想い 迷えても目指すは 根を手に負う程に明らか 十二時過ぎたら私も 聊か淫らになる事でしょう 貴方の放つ温かい物を 溢れるくらい頂戴 言わないで聞かないで ちゃんと何時…

ジャストフィット

『告ったらOKもらえた!!』 友達からの浮かれたメール 激励返信欲しいのバレバレ 速攻で削除してやった 初めからそんなの縁ナシ らしいと言えばらしいと思う 気付いた時にはもうこの関係 「好き」だとか言いたくも言って欲しくもない 待ち合わせ時間はいつも…

新宿浸り(夜の部)

魅惑の夜の街、新宿 お越しあそばせ手の鳴るほうへ 今朝も帰りの電車は混雑 入れ違いに世間での通勤 私を蔑む様な視線も 最近ではほぼないに等しい 部屋に戻れば着替えもそこそこ ただ寝床に倒れ込み溜め息 疲労を気休め程に和らげ 夕方には起き出して入浴し…

踊り子は炎を纏う

あなたの好きな花は知ってる 白くてとても小さな花束にして祈りと共に 添えましょう、眠れる姫に綺麗なままの顔であっても 瞳は二度と開かれない耳元で 木霊が続く 告げられた最後の言葉一人きりでは あの旋律の半分も歌えない…悲しみはまるで根の様に この…

フクキカク

相手に関しては別段気にしない ある意味で仲間 会いたくなんてないけど 周りの連中に話したらしいよね? 「性格はこっち 体はあっち」そんな事 ずっとケータイ留守電で 何度も伝言を入れる 気付けば預かり限度超え 多分あなたは聞かないって 分かったその上…

A cat talks to himself.

勝てば自由になるはずだから がむしゃらにも戦った その内に隠していた虚しさ 出会い、お前が水をやった様だ ただ強がるばかりで それを強さだと決めて 花を見ればいつも踏み付けて来た だけど今となれば 微かにも分かる お前は俺の中に咲いた小さな花だと …

I'm listening to the song You was.

目に入る物なら全てに 浅く広く一度は手を出す俺 この曲も聴き覚えはある 歌手名までは出て来ない 見極めてからじっくり わき目さえも振らずにハマっていく その点で相容れなかった お前がいつも聴いた曲 意図なく忘れた物だろう ケースのプリクラとも今は違…

カマシーニ~キャラバンと奴隷、少年と少女と民~

昨日と変わらぬ景色に囲まれ 進むキャラバンの行く手にあるのは 何度も想い馳せては描いた旅の終着 憂いしは夢とのその落差 足枷引き摺り最後に並んだ 奴隷の男は機会を窺う 砂漠で当ても無いまま何処かに走り出すのは 売られるのとどちらがまだマシか 小さ…