アナタカナタ

書きかけの手紙を 握り締めて独り
静かに表へ 抜け出した 真夜中

息が切れるほど走る 月に 見下ろされ
邪魔な履物は捨てて 恋には足りない みそひともじ

貴方、彼方。想い焦がれてはただ
顔が見たくなるもの 声が 愛おしい 
アナタアナタ 契り交わしてもまだ
心まで満たせないのです

淑やかに在りたい 私を何故乱す 
虜にするなら 完璧に 奪って


どんな夢を見ていても 朝は 来てしまう
例え不慣れでも今は この目で見詰めて 耳で聞く
口で語るには 留まる …あとひともじ

貴方、彼方。想い焦がれてはただ
顔が見たくなるもの 声が 愛おしい 嗚呼
アナタカナタ 契り交わしてもまだ
心まで満たせないのです わびぬれば

貴方、彼方。想い焦がれてはただ
どうか暁よりも先に 急ぎ辿り着きます 貴方