真夜中を好む少女

ほんの少しのワインが欲しい 見ているだけで落ち着ける 
グラスという名の小さな海を 満たす赤さは血と同じ 

あの子みたいに笑えない 嫌われるのが怖くて 
あの子みたいに騙せない 隠し通せる気がしない 

月よ アナタは何を見て微笑むのですか 
そこからどれだけの人々が見えていますか 

私からは目を背けて。私は闇に紛れていたいのです 


部屋を抜け出し独りで散歩 裸足で草を踏みしめる 
夜露の滴でしっとり濡れて 気付く 涙と似ていると 

あの子みたいに歌えない メロディは全て溜め息 
あの子みたいに踊れない ずっと俯いているだけ

夢よ やがては覚めてゆく結末にあって 
どうして一瞬の幸せを見せるのですか 

物語を巻き戻して 何度も想い返す残酷な罠


あの子みたいに笑えない 嫌われるのが怖くて 
あの子みたいに騙せない 隠し通せる気がしない 

あの子以外に愛せない 対で成り立つ存在 
あの子以外に嫌えない 裏と表の私達 

月よ アナタは何を見て微笑むのですか 
そこからどれだけの人々が見えていますか 

私からは目を背けて。私は闇に紛れていたいのです 
私達を見ていますか? 独りになる事さえ出来ない夜に