カルテ

小雨の降る午後の線路沿いで 
鼻につく臭いが疎ましい 
傘は持たずに出て来た 
濡れたら今更買う気もない 

何週目かの山手線 
これといって「しゅうちゃく駅」はナシ 
最終の意味の終着だけでなく 
固執の意味の執着もナシ 

渋谷の駅前で信号待ち 
まるでもう民族大移動 
人が怖くてしゃがんで 
そこにパッシングの自動車 

約束などしていない 
スケジュールも週明けまではナシ 
それだって医者に薬をもらうだけ 
ホントはどうせビタミン剤だ 

体温は昨日と同じまま 数値にすれば体は異常ナシ 
概念は私を健康と言う 日々を苦しく生きていようとも 


最近寝る時に夢を見ない
なのに目が覚めてもユメウツツ 
思い耽ってばかりで 
もはや現実にも飽きたか 

言い方さえも分からない 
胸焼けににも似ている嫌悪感 
医者ならば鬱とカルテに記すだけ 
他人と距離を置かせて欲しい 

体温は昨日と同じまま 数値にすれば体は異常ナシ 
概念は私を健康と言う 日々を苦しく生きていようとも 
体温は昨日と同じまま 数値にすれば体は異常ナシ 
概念は私を健康と言う 日々を苦しく生きていようとも 


全てが疎ましい