夜光遊戯

終わりかけた蛍火
夏の残りを愁う様
残像を 追いながら
気持ちも揺れる

初めて聞いた 言の葉が
胸に響く
破裂しそうな 心臓を
君には秘めて

素直じゃないあまのじゃく
余裕振って強がり
浴衣の袖 摘む指
少し震えていたくせに


違う歩幅合わせて
気遣うなんて生意気ね
君の背は いつの間に
私を越えた

人差し指を 唇に
誘う合図
草履を脱いで 石段へ
鬼さんこちら

本音はまたかくれんぼ
捕まるまでお預け
お面の下 笑う顔
今は見せずに焦らすから


もうすぐで お祭りもお仕舞い
夜空へ 打ち上がった花火
溶暗に 紛れながら寄り添う 影二つ