深海オルヴォワール

疎ましい呼び声
群れを離れて逃げた果てに

孤独でも一人なら
悲劇を演じる事もない
深く沈む

目覚めた数だけやがて眠る
束の間の夢なのも知りながら
水面に浮く船影 波間で光る反射も
暗がりの世界には届かない

たゆたいの心 温度の残る肌も冷えてゆく
薄れる記憶の中で凛と木霊する

泡と化して跡形もなく 此処で消えて行けたなら

さよなら